2025年7月24日木曜日

車で行く北海道

▼計画・情報収集

実は計画段階が一番楽しかったりします。
私の場合は、行き当たりばったりなので計画と言っても大雑把なものです。
その分、現地での判断を強いられるケースが多いので地図やガイドブックには気を配ります。
ここは車での話しなので荷物の重さは気にする必要はありません。
できるだけ多くの情報を持参しましょう。
具体的には次のようなものがあると便利です。
  • ロードマップ:北海道は道路がさほど過密でないので縮尺が大まかでも道に迷うことはあまりないと思います。
  • キャンプ場ガイド:行き当たりばったりな旅の場合は、できるだけ多くのキャンプ場が掲載されているものが良いでしょう。
  • ガイドブック:見る遊ぶ食べるを重視したガイドより、地域の歴史や地理、景勝地の紹介を重視したものが良いでしょう。ホテルや民宿の一覧があると便利です。
車で行く場合であっても、ロードマップとガイドブックの代わりにツーリングマップルを使うという手もあります。
助手席に置いてもページが勝手にめくれることのないリングタイプがお勧めです。

▼車での北海道上陸手段

大きくはフェリーを使う場合と高速道路を延々走る場合と二つがあげられますが、ここではフェリーを使う場合について考えてみましょう。
東京から北海道方面へのフェリーには次のものがありました。
  • 日本沿海フェリー(東京→苫小牧):船会社がいろいろ変わりましたが現在(2025年)は商船三井フェリーが運航しているようです。
  • 近海郵船(東京→釧路):最も好んで利用した航路でしたが、現在(2025年)釧路行きの航路は無いようです。
  • 新日本海フェリー(新潟→小樽):社名の通り日本海側を通る航路ですが、発着港が複数あるので少々複雑です。
最新航路などの状況は日本長距離フェリー協会のページで確認してください。
バイクと異なり車の場合は航送料金もそれなりにしますから、できるだけ安くあげたいです。
航路が短いと少しは安いでしょうけど、その分陸を走る時の高速代やガソリン代がかかります。
例えば自宅から東京港まで首都高などを走って東京から苫小牧までのフェリーを使うよりも、自宅から新潟まで関越自動車道を走って新潟→小樽のフェリーを使った方がわずかですがガソリン代+高速代+フェリー代の合計が安い場合もあるようです。

本当は値段よりも大事なことは、北海道のどの辺りをまわるのかによって起点となるフェリーターミナルを決めるということでしょう。
阿寒湖や知床方面をまわるのに、小樽からだとかなりの距離を移動しなければなりません。
往復割引をあきらめることで、新潟から小樽に到着し釧路から東京に帰るという方法もあります。
そう考えるとバリエーションがたくさんあることに気付くでしょう。

どの航路を使うか考えはじめた時から、北海道旅行は既に始まっているのです。

▼キャンプ場

車なので、一応オートキャンプ場をメインに考えましょう。
キャンプサイト使用料も北海道なら安いです。
何千円もするところはありませんでした(1998年現在)。
無料オートキャンプ場もめずらしくありません。
年々価格も上昇するでしょうけれど、関東近辺のオートキャンプ場より確実に安いと言えます。

予約はしません(私の場合)。
お盆の時期でも当日飛び込みで大丈夫でした。
サイトが一杯で断られたことはありませんでした。
ただし、予約無しということで区画整理されていないフリーエリアを指定されたことがありますが、特に不便は感じませんでした。
近年は予約が必須というところもあるようなので、事前によく調べておきましょう。

設備はキャンプ場によってそれぞれ違います。
立派な管理棟やトイレ、炊事場、場所によってはきれいなお風呂まで完備された、それこそ関東近辺の新しいオートキャンプ場並みのところもあります。
一方、管理人もいない寂しいキャンプ場もあります。
  • 利用したキャンプ場の一覧

▼お風呂

キャンプメインで何日も旅をしていると、やっぱりお風呂に入りたくなります。
頭のかゆさなんて4日我慢すれば感覚がなくなるなんて言う強烈な人もいましたが、やっぱり二日に一度は入りたいですね。
いや、毎日入りたいという人も多いでしょう。

入浴設備の整ったキャンプ場もありますが、共同浴場を探しましょう。
北海道の地名で○○温泉などという集落には大抵共同浴場があります。
安いです。
地元の人達のためにあるようなものなので、昼間からおじいちゃん、おばあちゃん達が入っています。
昼間から酒飲んだりしています。
なんとものんびりとした、いい雰囲気です。

また、そういったところの周辺には温泉旅館もあったりしますので、日帰り入浴できるか聞いてみましょう。
キャンプ場の管理人に聞くのが簡単確実だったりします。

▼一般の宿

お風呂はなんとかなっても、大雨の日などキャンプしたくないですよね。
テントを設営した後で降られる分にはあきらめもできましょうが、これからキャンプ場に向かうって時に降られたら憂鬱になってしまいます。

毎日キャンプを続けてられていても天気予報は注意して聞いておいた方がいいです。
今夜は嵐になりそうとか、明日は道東を台風直撃なんてことが分かった時点ですみやかに宿を確保しましょう。
そんな日は誰もが宿を確保したくなるので、満室になりがちです。
一刻も早く予約を入れた方がいいです。

宿はどうやって調べるのでしょうか。
持参したガイドブックで調べるか、駅のそばにある観光案内所で紹介してもらいましょう。
有名な観光地の休前日や悪天候の日でなければ前日でも予約大丈夫でしょう。(さすがに当日予約は避けた方がよいと思います)

ユースホステルは、公営のもの以外は予め会員にならないと利用できませんでした。
今は違うのかな?
私が利用していたころ(1984年ごろ。。。遠い昔だな)は、1泊2食で3000円程度でした。
夕食後にお決まりのミーディングがありました。
自己紹介や吉田拓郎の歌合唱(今思えばなんやそれって感じですね)、ゲーム(プレステなんかのTVゲームじゃないですよ)などなど、各ユースの特色をもっとも現すのがこのミーティングなのです。

礼文島など島のユースは、特に激しいものがありました。
そのユースにはじめての宿泊する場合であっても「おかえりなさい」と言って迎えられます。
「いらっしゃいませ」ではないのです。
だから、「こんにちは」や「お世話になります」よりも「ただいま」と言った方がいいようです(...独特の雰囲気)。
チェックアウト(と言うのかな?)の時も決して「さようなら」と言ってはいけません。
「行ってきま~す」が正解です。
  • 利用したユースホステルの一覧
  • 利用した一般の宿一覧

▼キャンプスタイル

私の場合の話です。
昔は友人からの借り物テントでしたが、現在は小川テントから発売されていた広い前室付きのドーム型テントを使っています。
前室は四人掛けのアウトドアテーブルと椅子が置けるぐらい広いです。
なので通常タープは不要です。メッシュの窓付きなので虫よけにもなり便利です。
その後、二回りほど小さいけれどちゃんと広い前室があるホールアースのドームテントに買い替えました。

コンロはイワタニプリムスのフラットツインです。
家で使っているカセットコンロと燃料を共通化できるので、キャンプが終わった後も燃料を有効に活用できます。
そう言いながら、ランタンはガソリンを使用するコールマンのノーススター2000だったりしますが。
こちらもその後ソロキャンプ用にイワタニのジュニアコンパクトバーナーに買い替えました。
シングルバーナーでコンパクト収納できますが、家庭用カセットコンロが使えます。
ランタンも安全面から単1乾電池が使えるLED灯のランタンを利用しています。

保温調理なべというものを使ってみました。
内なべを使って直火で加熱調理したあと、保温性のある外なべの中に入れておくことで、とろ火状態を持続させるものです。
カレーやシチューなど具材がやわらかくなるほど十分火が通り、それでいて焦げ付かない優れものです。
燃料節約にもなりますし、料理が冷えないのも都合いいです。(北海道は夏でも夜は結構冷え込みますので)

オートキャンプは設営、撤収に時間がかかりますので、二連泊するのが理想です。
とにかく距離をかせぎたいという旅でもない限り、訪れた場所では連泊して中一日はゆっくり付近を散策するのがよいでしょう。
北海道のキャンプ場は関東近辺ほど混雑しないので、とりあえず一泊だけ申し込み、翌朝の気分で連泊を申し込むのもいいでしょう。



このブログについて

オートキャンプ、バイクツーリング、トレッキングに関する旅の記録を紹介しています。
当時のキャンプ場や出会った人々、宿の記録もあります。

そもそも「旅」ってなんでしょうか。

ここでは、
旅行会社のパックツアーなどに頼らず自分で計画した旅行や
障壁を乗り越え苦労して実現した旅行、
なにかしらトラブルのあった旅行などを
勝手に「旅」と定義することにします。

このブログに登場する個人や団体、施設その他は実在する(した)ものですが、詳細は忘却の彼方に消えかかっていますので情報は正確ではありません。
さらに年月の経過に伴い記載事項と現状が異なる場合があることをご了承願います。
古い記録の写真はネガが退色していますので色が悪いです。
サムネールをクリックすると写真を拡大できますが、枚数が多いのであまり大きなサイズは置いていません。


ここに掲載した過去記事は、これまで自作ホームページとして開設していた「旅人の部屋」


をこちらのブログに移転したものです。



1984年8月22日水曜日

1984年夏 北海道 前編

  • 車:昭和49年式 三菱ランサー1600GSL
  • カメラ:Canan A-1
  • レンズ:FD 50mm F1.4 SSC 他

▼1984年8月9日 夕張→稚内 303.6km

初山別村の金毘羅岬で昼めしを食べていると50ccバイクのツーリングライダーがやって来た。
稚内の方から走ってきたそうで名山台がすばらしいので行ってみるとよいとのこと。

そこでやって来たここは下サロベツの名山台!!
利尻富士がうっすらと見える。
23日、友人M下と行った時の写真と比べてみよう。

今日は稚内の森林公園キャンプ場で野営だ。
何を買ったか忘れたが、その時のレシートなのだ。
ちなみにこの日は稚内花火まつりでキャンプ場が高台にあり、眺めがよかった。


▼1984年8月10日 稚内→宗谷岬→稚内…礼文島 62.8km

礼文島へ渡る前、道路に車をとめて市内を歩いて車へもどってみるとガソリンスタンドの紙切れがウィンドウにはめてあった。
市内をぶらついてもなおかつ出航まで時間があったので宗谷岬まで行ってきた。
さて、いよいよ礼文島へ移動する。
礼文島の港に着いていきなり驚いてしまった。
船泊YHの文字が書かれた大きな大きな旗を振りながら大声で「おかえりなさ~い」と叫んでいる人がいた。
島のYHは出迎えも見送りも派手らしい。
これでも船泊YHは礼文島にある3つのYH中で最もおとなしいらしいが...

船泊YHのミーティングは、簡単な自己紹介のあとみんなで吉田拓郎の歌を合唱した。
うわさでは桃岩YHのミーティングはロックコンサートだそうで、おどろきである。

ちなみに、ランサーは稚内に置いてきた。


▼1984年8月11日 礼文島

そして今日は「愛とロマンの8時間コース」を歩いてしまった。
途中、景色のいい広場で若者十数名が輪になって「ギンギンギラギラ夕日が沈む...」と大声で怒鳴りながら踊っていた。
なんだこの団体は!と思い、輪の隅の方で恥ずかしそうにしている女の子にどこの宿かと聞くと桃岩だという。
聞きしに勝るとはこのことだ。

ところで、このコースを一緒に歩いた男女でめでたくゴールインしたというカップルは数えきれないという。
しかし、ぼくらにとっては「汗と涙の8時間」になってしまった。
とは言っても、今日一緒に歩いたメンバーとは、不思議なほど親しくなり、明日はこのメンバーでトド島へ行くことになった。

ところが...


▼1984年8月12日 礼文…稚内→兜沼キャンプ場 29.4km

なんと、海が時化てトド島へ渡れなかったのだ。
そして、いつもの”生友”でキャンプの買い出し。
この日はカレーにした。

▼1984年8月13日 兜沼→羽幌…天売島 105.6km

今日は天売島に移動する。
今度もまたランサーは羽幌で留守番となった。

海鳥の楽園 天売島での撮影

天売YHは桃岩荘と同じニシン番屋ということだったが、とてもよかった。

▼1984年8月14日 天売島 … 焼尻島 … 羽幌

羽幌に戻った後、今回は町立運動公園のキャンプ場を使わせてもらった。


▼1984年8月15日 羽幌→夕張 274.2km

友人N村とはこの日羽幌で別れた。
彼は、もう一度稚内を通り、オホーツク海へまわるため列車に乗り北へ向かった。
自分は実家のある夕張へ帰るためランサーで南へ向かった。

歌志内市にある悲別ロマンザ

「昨日悲別で」というドラマの舞台が歌志内らしいので途中寄ってみた。
案の定ロマン座があり感動した。


とりあえず、前期島めぐりツアーはこれで幕を閉じる。
礼文のトド島ツアーは残念だったが、どの島でもそれぞれ個性があり印象的だった。



お世話になった宿泊地
  •  9日 稚内森林公園キャンプ場
  • 10日 船泊町立YH
  • 11日 〃
  • 12日 サロベツ兜沼公園キャンプ場
  • 13日 天売YH
  • 14日 羽幌町立運動公園キャンプ場